【書評ブログ】鎌倉シャツ シャツとダンス 「アパレルの革命児が起こした奇跡」を読んで感じたこと
2020.9.4更新⇒2020.10.10更新
シャツとダンス 「アパレルの革命児」が起こした奇跡 [ 玉置 美智子 ]
鎌倉シャツのファンとして先日発売された書籍を購入し完読しましたので、私の感想をレビューとして配信させていただきます。
青字部分が感想です。
YouTube追加しました。是非ご覧ください。
【書評VOL.4】鎌倉シャツ「シャツとダンス」アパレルの革命児が起こした奇跡
アパレルの革命児こと、鎌倉シャツ現会長の貞末良雄の主な履歴を記します。
- 1966 ヴァンジャケット入社
- 1978 ヴァンジャケット倒産
- 1993 メーカーズシャツ鎌倉を創業 53歳
- 2000 年間10万着販売達成
- 2008 年間30万着販売達成
- 2012 ニューヨーク店オープン 72歳
- 2017 年間70万着販売達成、藍綬褒受賞
- 2019 上海店オープン
- 2020 長女・奈名子が代表取締役に
鎌倉シャツの公式ホームページはこちら
ヴァンジャケットの情報はこちら
目次
- 書籍概要
- ジョン・F・ケネディのことば
- 商売人の血筋
- 300億円の売上
- ヤオハンとおしん
- ビジネスの場では、服装は戦闘服
- 4,900円
- メーカーズシャツの意味
- アムラー
- SOS
- IVYスタイル
- まとめ
書籍概要
鎌倉シャツ創設者の生い立ちをもとに、会社勤め、家族、創業、ニューヨーク店オープン、社長交代まで紆余曲折を描いたサクセスストーリーです。
この記事では書いていませんが、創設者夫婦のやり取りにとても愛を感じる内容があり、お手本にしたいと思いました。
ジョン・F・ケネディのことば
「祖国があなたに何をしてくれるかを問うのではなく、あなたが祖国のために何ができるかを考えよう」
この言葉に感動した高校生のタミ子(妻)は、のちにこの言葉を実現することになる人と出会い、人生を共にするとは思ってもいなかった。
結果として、鎌倉シャツは創業時のポリシーとして国産を掲げ、それを貫き通している。
創業者の強い信念がないと、アパレル業界の波(ファストファッション進出など)に簡単に飲み込まれてつぶれてします。
利益追求型のビジネスモデルではないところが私がファンになっているポイントでもあります。
もちろん、起業なので営利は必要であることは理解しているつもりです。
商売人の血筋
成功したければバカになれ
きょうだいの中で一番商人に向いていると、商人の父に言われたことを思い出し、商人の血が騒ぎだし商人の道を歩みだした。
また、父の晩年のことば「大成したければバカになれ」の通り、バカになることを試みた。
何度も何度も。
でも、答えはわからなかった。
ヴァンに入社後の仕事は、営業ではなく倉庫番として商品の保管を行い、何がどれだけ、どこに保管されているか管理する内容だった。
営業マンも倉庫に来て一緒に梱包などの仕事をしていたが、良雄は営業はもっと外に出て仕事を取ってきて欲しいと思っていた。
そして、倉庫を保管場所ではなく、流通させるための仕組みを作り大型コンピューターで管理できるように改善した。
このことで、会社のカネとモノの流れすべてをチェックできるようになり、顧客からの未入金など資金回収の精度も向上した。
自分の置かれた環境をネガティブにとらえず、会社として利益を上げるにはどうすればいいのか考え、大きな仕組みを導入し貢献した行動力はすごいと思いました。
自分の若い時にはこんなことは考えもつきませんでした。
300億円の売上
1974年、年商300億円達成したヴァン。
商品計画部に異動した良雄が作成した事業計画は180億円。
なぜ?
計画と実績が乖離しすぎており、異常事態と判断した。
原因は計画にない勝手な発注を行い勝手に売りさばいていた。
結果的には売り上げに貢献してたが、そもそもの事業計画の意味が無くなっていた。
ましてや、勝手な発注を行っていた人が社長賞を受賞。
その後、原価率も維持するために、上代も値上げしていき、客離れが加速した。
そして、倒産。
ヴァンの強みは、お客様目線に立った商品企画とものづくりであったが、いつの間にか売り上げを伸ばした営業や商社が力をもち、ヴァンの仕入れ予算イコール商社の販売予算という負のスパイラルになった。
売上至上主義。
数字遊びで自分たちは汗を流さずに商売を行うと、結局客離れにつながることを学んだ。
企業の強みが収益を上げる機能があれば問題はありませんが、通常そんなことができるとは考えれません。
あくまで組織で動いているので、それぞれの強み弱みを補完しあい、うまく歯車が回れば良いのですが難しいですね。
それぞれの欲があるので。
ヤオハンとおしん
ヴァン倒産後、次の働き口は見つからなかった。
部長職で常に反骨する良雄のうわさは業界内で扱いづらいと有名になっていた。
異業種のヤオハンに再就職。
ただし、厳しい道場での修行を10日間行うことが前提条件だった。
どんぶり飯とめざし1匹、みそ汁、梅干し1個の食事と「ありがとう」「笑い」の練習が毎日続き、嫌気がさしていた。
バカバカしいと思い逃げようと思ったが、この修行中も会社は1日1万円の日当をくれ、それがあれば家族がご飯を食べれるが、自分はできない。
みなが笑っているのに、なぜ自分はできないのだろうか考えた。
意を決し、笑ってみると高齢の女性が笑ってくれて、自分がだれかを笑わすことができるとほっとし、相手の温もりを感じ、本当の笑いができるようになった。
「バカになれ」
この意味が分かった瞬間だった。
良雄は弁が立つのをいいことに、自分で相手との間に壁を作り、周囲と和解できずにいた。
亡き父は始めからこのことを分かっていた。
笑いの練習でバカになれが腑に落ちた瞬間。
私自身そうかもしれないことに気が付きました。自分自身で相手との間に壁を作ってしまう。何度繰り返しているのだろうか。
ビジネスの場では、服装は戦闘服
戦う男は服への投資を惜しんではいけない。
自らを鼓舞し、評価を高めるツール。
自分が好きな服を着るのではなく、相手にどう見られるかが重要。
と同時にきちんとした服は相手への礼節となる。
私は本社勤務時代は鎌倉シャツの白に、鎌倉シャツの赤ネクタイまたは紺ネクタイをセットアップしたときは背筋がピンとしました。
通勤時の電車内やホームで他人のセットアップをよく観察していました。
ボロは着てても心は錦
海外では通用しない思想。
第一印象ですべて判断される。
どんなに仕事ができて、中身があったとしても国際社会では通用しない。
国際舞台に立つ日本人が増える中、しっかりと身なりは整えたい。
スティーブジョブズ、マークザッカーバーグなどは別格と思いました。
超越してますもんね。
IT系やスタートアップ系は関係ないのでしょうか。
あまり意識したことはありません、
安価なシャツでも、アイロンがしっかりとされていたり、体系に合っていると見た目はよく見えます。
4,900円
サラリーマンでも手が届き、一回分の飲み代を我慢すると買える価格が4,900円。
ただし、クオリティーはデパートでの売値が15,000円と同等でセールはなし。
生地は天然素材の綿100%、糸は80番手双糸以上を使用、ボタンは貝ボタン。
現在では400番手までのシャツがラインアップされており、価格は6,490円~19,800円(税込み)の設定。
つい数年前までは300番手まででしたが、この書評を書くに当たり調べたら、400番手のものまであったのでびっくりしました。
300番手でシルクのような肌触りでしたから、400番手のだと想像がつきません。
メーカーズシャツの意味
工場から運ばれてきたばかりのシャツ、つくり立てのシャツ、工場直販、といった意味。
アムラー
鎌倉シャツが2店舗体制(本店、ランドマーク店)になると、人手が足りず、募集するも知名度がないため集まらない。
その状況で、アルバイト応募に来てくれた人材は貴重である。
アムラー(ギャル)でも。
正統派のビジネスシャツのお店には似つかわしくないが、タミ子は礼儀作法を教え、一日でも早くレディに仕上げることに奮闘していた。
創業当初の苦労と時代背景がツボでした。
アムラーvs正統派を想像するだけでも日々、教育している風景が浮かびました。
私の勝手な妄想ですが。
アムラーを知らない方ようにリンクを貼付します。
SOS
タミ子が脳出血で倒れ介護が必要になり、一人で入院や、リハビリの対応を頑張ってきた良雄も精神的、肉体的に限界になり初めて家族にSOSを発信。
そのSOSを受けた家族の対応の早さにより、鎌倉の自宅で療養をできる体制が整った。
同時に良雄は、世代交代も決め、娘の奈名子に代表取締役の座を譲った。
次の夢、世界500万着販売を託して。
この本で奥様が倒れ自宅療養していることをしりました。
トップ交代には複雑に絡み合って行われたのだと思いました。
世代をこえて、鎌倉フィロソフィを継いでいただきたいです。
IVYスタイル
私の時代にはすでにこのスタイルはなかったので、知りたい方は下記リンク参照ください。
まとめ
この書籍を読んで、鎌倉シャツの店舗、オンラインショップでの企業では見えないバックグラウンドがよくわかりました。
特にオンラインショップは、掲載写真などで企業のブランド的な要素で情報を受け取りますが、やっぱり企業は血の通った人で成り立っていると感じました。
また、以前発売された書籍も再度読み直そうと思いました。
シャツとダンス 「アパレルの革命児」が起こした奇跡 [ 玉置 美智子 ]
この記事もぜひ合わせてご覧いただければ幸いです。
以上
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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